2年前のわが町のスロータウン映画祭で、
観たいと思って、見逃してしまった映画。
『しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス』
AmazonPrimeで観ました~。
淡々と過ぎていく日々と、田舎の自然風景が美しい。
口が悪く不器用な男と居場所のない身体の不自由な女。
「家政婦募集のメモ」が二人を引き合わせる。
配線も配管もない、ドアを開ければ、部屋中が見渡せてしまう小さな家。
美しくも厳しい自然環境の中、どう見てもしあわせとは、ほど遠い。
それでも居場所のないモードにとっては、
このエレベットの家は、大切な場所になったのでしょう。
正直で偽りのない二人が、だんだん、少しずつ
相手を思いやっていく日常が、こころにぐっと迫ってきます。
見た目の現実の厳しさや苦しさと、心の中は全く違うんだ。
自分の心のままに、不自由な手で、それでも大好きな絵を描くモードと
それを支えるエベレット。
ふたりにしか分からない、しあわせの形があるのでしょう。
映画の最後に、モデルとなった実際のカナダの女性画家モードと
夫のエレベットの姿が、古いフィルムで映し出されます。
その表情を観れば、確かにふたりで、
しあわせの絵の具で愛を描いた人生だったのだと思えてきました。
何をしあわせと感じるかは人それぞれ。
人からなんと思われようと、自分の中にしあわせの気持ちを持っている人は
きっと強いのだと思わせてくれる映画でした。
映画の中でもたくさん登場しましたが
モードの描く絵は、どれも身近な自分の周りにある世界です。
実際、モードは生涯を30マイル以内の範囲でしか行動しなかったそうです。
そんな彼女の絵は、楽しく明るい気持ちにさせてくれます。
生きる喜びや命の躍動が感じられる美しい絵です。
この映画のおかげで、素敵な絵に出逢うことが出来ました。
モード、エベレット、ありがとう・・・。
またね。ころりんでした。